こんなとき、どうする?~事例検討

こんなとき、どうする?~事例検討

当社では、毎年事例を通して検討会議を行いますが、先月の会議では以下のような仮のご利用者を想定し、自分たちならどう関わるかという意見交換をしました。

〇対象者 80歳代の女性

〇ビフォー
 新しいデイサービスを利用するようになってからデイサービスのキャンセルが多い
  ●排泄に不安がある(自分のタイミングで行けない)
  ●以前利用していたデイサービスに比べて指定の持ち物が多い

〇アフター
 新しいデイサービスでもキャンセルなく利用できるようになった

このビフォーアフターの間にヘルパーとしてどんな働きかけがあったと想像できるか、
自分ならどう関わるかを意見交換しました。

●排泄については、デイサービスでのプログラムが始まってしまったり、ご利用者同士で話がはずんでしまって途中で行きづらいようであればデイの職員さんから定期的な声かけをしてもらう。過去に失敗した経験がある、行こうと思った時は間に合わないなどの不安があるなら、吸水ケア用品を提案してみる。その際には、外出先で尿漏れを気にされる方はとても多く、このような商品も種類が増えていること(リハビリパンツやパットも薄型の目立たないものもあり、パンツ型に抵抗あるならパットから始めてみてもいいかも)、お守り代わりに使用されている方もおられることなどと説明するなどで不安を和らげられないか。
●荷物については、わかりやすい荷物のチェック表を作る、ヘルパーの訪問時に荷造りを一緒に行う、週単位でヘルパーの来る回数よりデイサービス利用の回数が多ければ数セット用意しておき、次回ヘルパーが来る時まで一人で荷造りしなくてよいようにするなどの工夫をしてはどうか。

事例検討会議では、各ヘルパーから様々な意見が出ることもあり、自分とは異なるアプローチがあることに気がつけたり、複数の案が出ることで実際の場面でもご利用者の選択肢を増やすことができるなど考えの幅が広がります。
ヘルパーの仕事をしていると、ケアプラン通りにうまく行くことばかりではなく、介護を受け入れていただけないことや他のサービス利用が進まないなど色々な場面に出会います。
介護を受け入れていただけない時は、まずはゆっくり信頼関係をつくることを目指すことで、緊張がほぐれたり、徐々にを受け入れて下さるようになることもあります。日ごろの訪問で不安に思っておられること、苦手だ・嫌だと思っておられることを理解し、こちらからの提案をする際にも一方的なアドバイスではなく、ご利用者の意向をしっかり確認することが大切です。
ご本人も納得できるような改善策が見つかれば、ご本人の了解を得て必要に応じてケアマネージャーやご家族、他のサービス(今回であればデイサービス)と情報共有して実践することがあります。
ご利用者の近くで関わるヘルパーだからこそ気づくことができる課題もあり、多職種とも連携してご本人の生活が改善されることはヘルパーにとっても嬉しくやりがいのあることです。今回の事例検討のように、実際のご利用者との関わりについても一人で抱え込まず他のヘルパーや多職種の方とも連携をとり、意見交換しながら支援を見直していくこともヘルパーの大切な役割です。

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